関節の可動範囲は広ければいいのか? 身体が柔らかい事のメリットとデメリット 【春日市大野城市】【整体】

関節の可動性はひろげた方がいい?

【ストレッチ】=【身体を柔らかくする】

一般的にストレッチというとこのようなイメージになるかと思います。

身体が柔らかいという事は、しなやかで美しく怪我をしにくいイメージがあり、一度は憧れるのではないでしょうか?

 

 

一般的な【身体が柔らかい】というイメージのほとんどが、股割りできる前屈して手がつくなど関節のひろがる範囲がひろい事を意味しているはずです。

 

では本当に関節は柔らかい方がいいのでしょうか?

 

 

日常生活について考えていきましょう。

 

日常生活において柔軟性が必要な動作ってなんでしょうか?

思い当たりますか?

案外少ないと思います。

つまり日常生活において、関節可動域をいっぱいまで使う動作はありません。

 

 

現代社会ではテクノロジーが発達していますので関節可動域をギリギリまで使った動作をする必要がないのです。(手を限界まで伸ばしてギリギリ取れるくらいのものがあるなら下に置きますよね)

 

そのため、ストレッチで必要以上に関節可動域がひろがってもあまり意味がないという事になります。

 

例えば、ストレートレッグレイズをするとします。

このまま脚を上げて言ってつま先が頭の方へ着くとします。

果たして日常で片足を頭の上まで上げる動作があるでしょうか?

ないですよね。つまりストレッチで必要以上の関節可動域を手にいれたとしても使わなければ無駄な可動域と言えます。

 

 

身体を動かさない事で、歩幅が狭くなるとエネルギー効率が悪くなり、転倒の危険性も高まるので問題になりますが、日頃から少しダイナミックな身体の動か方を意識していれば、可動域での健康は保たれるでしょう。ストレッチで必要以上に可動域を広げることにこだわらなくてもいいと言えます。

 

 

もちろんアスリートの場合はそうではありません。

競技の特性として部分的に関節の可動範囲を拡大させなくてはいけない事は多いです。結果を残すために、健康レベルを超えた可動域が必要になることもあります。

 

 

関節の可動域をひろげるメリット・デメリット

関節の可動範囲をひろげるメリットは

  • 主に高齢者の日常生活動作向上には効果的
  • 競技の特性により、関節の可動範囲がひろい方がパフォーマンスが上がる
  • 見た目の美しさ

 

デメリットは

  • 関節の可動範囲をひろげるには時間がかかる
  • 無理なストレッチで靭帯を緩めすぎる可能性あり
  • 安定性が不足しているとバランスが悪くなり、パワーが落ちてしまう可能性あり

 

高齢者の方が足腰が弱ってしまい動きが小さくなっている方や、ヨガ・体操・バレエ・ダンスなどを行なっている方は、関節の可動性が高くなることでメリットがあると考えられます。

 

しかし、一般的には健康な方にとって関節の可動性はむやみにひろげる必要もないかと思います。

関節の可動性を高くするというより、普段使えていない箇所を動かすという目的でのストレッチをするといいでしょう。

 

 

関節ポジションを考慮する

関節の可動範囲をひろげる事はもちろん大事ですが、それよりも先に大切になってくるのは正しい位置に関節がある事です。

関節のポジションとは「関節がなっている位置」のことです。

よく言われる【歪み】や【ニュートラルポジション】などの言葉も、関節ポジションを表しています。

ストレッチやトレーニング、コンディショニングにおいて、ポジションを考慮する事は必要不可欠と言えます。

 

 

骨格として私たちの身体を見るといくつもの関節が重なりあっています。

関節+関節+関節…=骨格となります。

つまり1つの関節がズレてしまうと、その隣がズレてしまうことになります。1つの関節ポジションが他の関節にも影響を与えるのです。

 

ではポジションがズレているとどうなるのでしょうか?

 

例えば、右のもも裏(ハムストリングス)は硬く可動域が小さいけど、左のもも裏は柔らかく可動域が大きいといった事はありませんか?

この場合は、身体の使い方によってゆがんでしまった関節のポジションが原因とも考えられます。

 

 

関節のポジションがなぜ大事になるかというと、筋肉が骨についているからです。ゆがみがおこってしまうとその関節についている筋肉の長さにまで影響を及ぼしてきます。これが左右の筋バランスに影響を与えます。

 

上記の例の場合だと、左ハムストリングスは長くなってしまいっており右は短くなります。

しかし、この部分だけで判断して、硬くなった右側だけをひたすらハムストリングスにストレッチをかけ続けても問題があります。

そもそも骨のポジションがズレていることが原因で筋肉の硬さに左右差が出ている可能性も考えられるからです。

 

関節ポジションを考慮してアプローチを最大化!

ゆがみを作るのは骨なので、それによってできてしまった筋肉の硬さをとってもゆがみが治っていなければ戻ります。

肩の高さが違う場合は左右の側屈の差が出るのは当たり前のことなんです。

 

こうした関節のポジションの歪みの解決法は、筋肉のInhibition(抑制)とActivation(活性化)です。

 

正しいポジションを手にいれるために、体位を変え、正しく筋肉を使い、そして使いすぎの筋肉を抑制するということになります。

 

左右のポジションを考慮する時のポイントとして、骨盤と下肢を重点的に見るといいです。

骨盤・下肢には、数多くの筋肉の起始・停止(筋肉の始まりと終わり)があるからです。

骨に付着している筋肉が硬ければ、その筋肉が骨を引っ張ることで関節ポジションを変えてしまいます。

骨格の土台となる骨盤周辺がゆがむと他の関節に影響を与える事は避けられません。

 

まずは関節のポジションを評価して、どのようなゆがみがあるのか、どのような関節ポジションなのかをしっかり見極める事でストレッチなどのセルフエクササイズの効果を最大限にすることができるのです。

ストレッチの効果を高める【柔軟性】と【固定性】とは!?

関節可動域を制限している筋肉をストレッチしているのに、なかなか変化が見られないと言った経験をしたことがある方は少なくないのではないでしょうか?

 

スタティックストレッチと呼ばれる関節の可動性を高めるためのストレッチだけでなかなか効果が引き出せない場合、その原因は

  1. 筋肉の柔軟性の問題
  2. 筋肉の固定制の問題

のどちらかを見極めることで、簡単にアプローチすることが可能になります。

 

もし制限が1の筋肉の柔軟性の問題であれば、様々なストレッチで可動性をひろげることが効果的です。

ストレッチは色々な種類があります(PNFストレッチ、相反性抑制、運動反射など)

それでも効果が出ない場合は関節そのものに可動域制限がある場合は従来のストレッチだけで大きな効果を得る事は難しいです。

 

身体の【柔軟性】は【固定性】があってこそ成り立つ

関節可動域の制限が2の固定性からくる場合、関節可動域をひろげるためには従来のストレッチと違うアプローチが必要になります。

まずは固定性について簡単に解説します。

 

 

身体の【柔軟性】は基本的には【固定性】があって成り立っています。身体を支える土台、つまり【固定性】がうまく働かないと【柔軟性】に大きな影響を及ぼします。

 

筋トレについてはこの考え方は一般的になってきていますが、ストレッチの効果をだすためにもとても重要です。

 

 

例えば、ハムストリングのストレッチで関節可動域に問題を感じた場合、【柔軟性】の問題にアプローチしてもあまり改善が得られなかったとします。

この場合は、【固定性】の問題の可能性があると判断し、お腹周りを安定させるようなアプローチを取り入れてみましょう。

  • 「両手で壁を押す」
  • 「軽いダンベルを手で持ち上げてその状態をキープする」
  • 「固定されたチューブを引っ張ったままキープする」

などといった運動です。

 

こうして身体の固定性を作ってやる事で、ハムストリングスはより大きな可動域を発揮しやすくなるのです。言い換えると、腹部を安定させて可動域の改善が見られた場合、可動域の問題は【柔軟性】ではなく【固定性】の問題が大きく影響していたと考えることが出来ます。

もちろん、【柔軟性】と【固定性】の両方が、関節可動域に影響していることもあるので、2つの要素を同時にアプローチすることも可能です。
例えば、背臥位(あおむけ)のストレッチで、ダンベルを片手で天井に向かって持ち上げてキープした状態で、硬い側のハムストリングをストレッチします。この時のストレッチ方法は、静的ストレッチでも、動的ストレッチでも構いません。【柔軟性】と【固定性】両方にアプローチすることによって、よりストレッチ効果は期待できます。

このように、シンプルなスタティックストレッチだけで効果を引き出せない場合、①(柔軟性からくる問題)なのか、②(固定性からくる問題)なのかを分けて考える事で、よりあなたにあったストレッチを行うことができるのです。
 

 

まとめ

関節可動域は広げるには、長い時間かけてストレッチするのが効果的

健康レベルにおいては、関節可動域を必要以上に広げることに意味はない

ストレッチは関節の可動性を高めることだけでなくその他のメリットも多い

関節ポジションを理解する事はセルフケアをやる上で重要

関節ポジションがズレると筋肉の長さも変わる

関節ポジションを整えてから筋肉にアプローチすることによって、ストレッチの効果が高まる

身体の【柔軟性】は【固定性】があってこそ成り立っている

 

やみくもに身体を柔らかくしなければ!と考えずに、必要な範囲でストレッチを行うことが大切です。

【身体が柔らかい】ことが体にとって必ずしも良いというわけではないのです。個々の目的に合わせて、その方にとって必要な可動域を手にいれるようにセルフケアを取り入れる事が大事になります。